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設立前のチェックポイント 「会社設立のメリット」

取締役の任期が2年から10年に

 

新会社法では、取締役にとってさらなるメリットがあります。それが取締役の任期の延長です。
従来は取締役の任期は最大で2年だったのですが、これが10年に延長されたのです。
以前であれば登記変更を2年ごとにする必要があり、それにあたってのコストもかかったのですが、そのコストも10年ごとになることによって、大幅に削減することができるようになりました。面倒な手続きや、費用が浮くことによって、会社設立の大きなデメリットが減ったといえます。

新会社法では、取締役にとってさらなるメリットがあります。それが取締役の任期の延長です。

従来は取締役の任期は最大で2年だったのですが、これが10年に延長されたのです。

以前であれば登記変更を2年ごとにする必要があり、それにあたってのコストもかかったのですが、そのコストも10年ごとになることによって、大幅に削減することができるようになりました。面倒な手続きや、費用が浮くことによって、会社設立の大きなデメリットが減ったといえます。

 

会社設立のメリット

 ここまで説明した内容を読んでいただければ、法人設立がいかに簡単かおわかりになったと思います。
 思ったより簡単に会社設立はできるものだということを理解していただいたところで、次に、会社設立をすることによって得られるメリットについて、会社設立せずに個人事業として行った場合と比較して解説していきます。

法人の税金

 会社設立をする上での大きなメリットになってくるのが、様々な方法で節税ができることです。
 節税について説明する前に、まずは法人の税金について知っておきましょう。法人にかかる税金は、3つあります。法人税、法人住民税、法人事業税です。
 法人税は会社の利益に対してかけられるもので、資本金1億円以下の中小企業の場合、税率は課税所得が800万円までの部分は18%、800万円を越えた部分は30%になります。
 法人住民税は本店所在地のある地域に対して支払う税で、所得割と均等割という2つの部分にわかれます。所得割部分の税率は資本金1億円以上、または年間所得1000万円以上でないかぎり17,3%です。
 法人事業税は法人の事業にかかる税金で、税率は所得金額によって異なります。所得金額が400万円までは5%、400~800万円までは7,3%、800万円以上は9,6%です。
 次に、個人事業の税金を見ていきましょう

個人事業の税金

 個人事業の税金は、所得税、住民税、個人事業税の3種類です。所得税は所得が増えるに従って5%、10%、20%、23%、33%、40%と税率が上がります。住民税は税率10%の所得割部分と一律4000円の均等割部分の合計で決まります。
 個人事業税は、業種によって税率が異なり、3%、4%、5%と3段階の税率があります。(これについては後述します。)
 個人事業の最高税率は、課税所得が1800万円超の場合で、住民税と所得税の合計50%プラス事業税5%ですが、法人税は事業税を含めても最高で合計約41%です。
 単純に税率だけを見れば法人化したほうが有利であることがわかると思います

個人事業税の税率

 個人事業税の税率についてより詳しく説明しておきます。業種によって異なることは説明しましたが、具体的にはどのようになるのでしょうか。見ておきましょう。
 まず第1種事業は飲食店業、製造業、物品販売業、不動産貸付業など37業種で、税率は5%です。次に第2種事業は畜産業、水産業、薪炭製造業で税率は4%です。最後に第3種事業は医業、公認会計士業、弁護士業、デザイン業、クリーニング業、コンサルタント業などで5%、のものと助産師業、マッサージ、指圧その他の医業などで3%のものと2つの税率があります。
 法人になった場合、これらの個人事業税の代わりに法人事業税がかかってきます。

法人事業税の税率

 個人事業税の次に、法人事業税を見ておきましょう。法人事業税は2種類にわかれます。まずは資本金1億円以下で、かつ年所得2500万円以下の法人の場合です。所得額によって税率がかわるのは個人事業と同じです。
 法人所得額が400万円以下の場合、税率は5%、400万円超~800万円以下の場合、税率は7,3%、800万円超の場合、9,6%になります。
 資本金1億円超または年所得が2,500万円超の法人の場合は税率が少し上がります。法人所得額が400万円以下の場合、5,25%、400万円超=800万円以下の場合、税率は7,665%、800万円超の場合、税率は10,08%になります。
 事業税だけを比べると個人の方が税率が低く、有利なように見えますが、全ての税金を比べてみると決してそうではありません。

節税①役員報酬

 税金について簡単に説明したところで、節税の方法について述べていきます。まずは、役員報酬を利用した節税の方法について説明します。法人の利益を役員報酬として支払うことによって税金が安くなる場合があります。
 どういうことかというと、法人の利益と役員報酬にかけられる税金では税率が異なるので、法人の利益と役員報酬の配分方法によって、支払う税金の額が違ってくるのです。
 個人事業主の場合、事業の利益にかかる税金が全てですが、法人の場合は法人の利益にかかってくる税額と個人の所得にかかってくる税額の合計を見て、役員報酬を決める必要があるのです。役員報酬を多く払った方が節税になるケースがあるのです。

節税②給与所得控除とは

 法人ができる節税のひとつとして「給与所得控除」を使った節税があります。
 給与所得控除を使った節税を説明する前に、まずは給与に対してどのように課税されるのかを確認しておきましょう。
 給与所得者は法人や個人事業主とは違い、必要経費が認められません。その代わりに給与から一定額を免除しようという趣旨で給与所得控除があるのです。その額を算出し、給与収入から引くことになります。個人事業主の場合は使うことができません。
 給与所得控除ともう一つ引くものがあります。それが所得控除です。この2つを差し引いた額に課税されるわけです。
 つまり、給与所得控除と所得控除があることにより、課税される所得が少なくなり、その結果節税をすることができるのです。

給与所得控除の額

 給与所得控除の額についての計算式は以下の通りです。

給与収入の金額と給与所得控除額です。
162万5000円以下=65万円
162万5000円超~180万円=給与収入×40%
180万円超~360万円=給与収入×30%+18万円
360万円超~660万円=給与収入×20%+54万円
660万円超~1000万円=給与収入×10%+120万円
1000万円超=給与収入×5%+170万円

 ちなみに、給与収入とは年間の給与、賞与などの年収で、通勤交通費は除きます。
 給与が増えれば増えるほど控除される額が増えることが理解できると思います。

個人事業と比較すると

 個人事業主も法人と同様に必要経費は認められ、収入から差し引くことはできます。ここまでは、個人も法人もどちらも変わりません。
 この先が違うのですが、それが「給与所得控除」なのです。これが会社設立をする大きなメリットになってきます。
法人の場合、役員報酬にも給与所得控除はあるのですが、その分だけ個人事業主よりも所得を抑え、税金を安くすることができるのです。
 

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