第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。
3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。
4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。
第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。
3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。
2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。
4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。
2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。
二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。
三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。
第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。
一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項
イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数
ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称
二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項
イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数
ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称
第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。
2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。