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設立前のチェックポイント 「会社法」

第三百五十七条(取締役の報告義務)

第三百五十七条  取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。
 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。

第三百五十八条(業務の執行に関する検査役の選任)

第三百五十八条  株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主
 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主
 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。

 

第三百五十九条(裁判所による株主総会招集等の決定)

第三百五十九条  裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
 一定の期間内に株主総会を招集すること。
 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。
 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。
 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。

第三百六十条(株主による取締役の行為の差止め)

第三百六十条  六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。
 監査役設置会社又は委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。

第三百六十一条(取締役の報酬等)

第三百六十一条  取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
 前項第二号又は第三号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。

第五節 取締役会 第一款 権限等

第三百六十二条(取締役会の権限等)

第三百六十二条  取締役会は、すべての取締役で組織する。
 取締役会は、次に掲げる職務を行う。
 取締役会設置会社の業務執行の決定
 取締役の職務の執行の監督
 代表取締役の選定及び解職
 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
 重要な財産の処分及び譲受け
 多額の借財
 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

第三百六十三条(取締役会設置会社の取締役の権限)

第三百六十三条  次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
 代表取締役
 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。

第三百六十四条(取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表)

第三百六十四条  第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。

第三百六十五条(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)

第三百六十五条  取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。
 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。

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